米 長期金利2年ぶり高水準(2022年2月7日) 雇用統計を受けて、 アメリカのFRB=連邦準備制度理事会による金融引き締めが加速するとの見方が強まり、 アメリカの債券市場で4日、長期金利の指標となる10年債利回りが一時1.93%台まで上昇しました。2020年1月以来、およそ2年ぶりの高い水準となりました。
1月の米雇用統計が発表され、雇用拡大が確認されたことで、 アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は、 来月の連邦公開市場委員会(FOMC)にて、 予定通りに利上げ開始できそうである。 さらに、5月と6月の会合での、連続利上げする可能性もありえる。 アメリカでは先月、新型コロナウイルスの新たな変異株 「オミクロン株」の感染者数が急増してしまった為 雇用の減速を警戒していた。 しかし、1月の雇用統計によって、実際は先月ばかりでなく、 過去数カ月にわたって雇用が予想以上に、 拡大していたことが確認された。 それは、現時点においての経済変化を予測することが、 如何に困難なのかを、確認させられたことにもなる。 1月の就業者数が46万7000人増加したが、 失業率は4%に小幅上昇。 昨年6月は、5.9% 12月は、3.9%に急低下していた。 また、2021年分の改定では、昨年の就業者数は、 僅かに下方修正されたが、 年末に限ると好調で、11月と12月の就業者数は、 合わせて70万9000人上方修正された。 FRBのジェローム・パウエル議長は、先週のFOMC後の記者会見で、 大半のメンバーは3月15~16日に開催されるFOMCで 短期金利の引き上げる用意があると発言。 ただ、彼らは 「最近のオミクロン株の感染者数急増が今四半期の 経済成長の重荷となることは間違いないだろう」 と予想していると指摘した。 また、「感染の波がすぐに過ぎ去れば、経済に与える影響も同様になるはずで、 基調的な景気の堅調さはすぐに表れるだろう」 との見方を示した。 FRBは、3月の利上げ開始後も利上げを継続する可能性が高い。 労働需要が堅調で、インフレ率がFRBが目標とする 2%を大きく上回っていることから、過去10年間よりも速いペースで 利上げを実施する可能性があることを示唆している。 これは、FRBが金利を中立的な水準付近に戻すことに寄与するだろう。 中立金利とは景気を過熱も減速もさせないと考えられる金利水準で、 2~3%と推定されている。